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2019/2/25

え ん 便 り 2019.2.25
寒さ厳しい中、陽ざしは優しく春の気配を見せています。皆様にはお変わりございませんか。
「えん」の邦楽普及活動を子供や若者を中心に今しかできないこと、今だからできることに絞ってきている中、時間の余裕ができ、孫と遊びながら、楽々庵の花壇つくりにも精を出しています。
現在、決定のイベントをお知らせいたします。お時間がありましたらお運びくださいませ。

■3/17 「古楽器試奏会」 10時より16時まで  京都文化芸術会館3階和室
私の手元にご縁があってきた古楽器類を東京芸大の学生さんから試奏したいとの申し入れがあり、今回、纏めて機会を作りました。一つの楽器について30分ずつ、見学だけも含めて予約が必要です。楽器は、1. 玲琴(開発者・田辺尚雄師の原形、日本に2.3丁しか現存しない。北川雅楽能(芳能)師ご遺族より寄贈) 2.菊岡太助作琴(法然院檀家様・渡邊様よりご寄贈のお琴) 3.菊岡太助作琴(四君子模様入り)4.冶貞作琴(法然院の檀家様・上野様よりご寄贈。三田藩主の奥様・お嬢様・上野梅子様がご使用 現存数は少ない)5四世琴傳作琴(1800年頃の素琴。この当時、初めて音響を考えられたお琴。北川雅楽師ご遺族より寄贈)6.明暗流中興の祖・小林紫山師所有の尺八(銘入りと銘無し二本)8.初代石井の駒・吉三の駒他(展示のみ)9.初代石井の撥3本、10.山口検校の稽古用の柳川三味線 ◆参加費   1000円 要予約

■3/30 「京の韻」(みやこのひびき)no4~京流を継承する会~ 法然院にて チラシ参照
 法然院の椿の花の美しく咲くころに、京都の作曲者の曲を、子供の頃より体で京流を身につけておられる演奏者による演奏です。解説はいつものように大変興味深いお話をしてくださる久保田敏子教授によります。近年、古楽器や柳川三味線が見直されてきている中、これで良いのかと思うような演奏法を見かけます。繋いでいくためにはそれでもよいとの考え方もありますが、きちんとしたことが分かっておられる方は声を出して伝えていってほしいと思います。 京流の演奏はけっして派手ではなく、はんなりとお品よく、音色が勝負です。「四つの民」は名曲でありながら、士農工商を歌っていることから関東では演奏されていないようです。「八段の調べ」は山口検校より受け継がれている石川勾当手付けです。 京地歌を、柳川三味線を、椿の法然院のお花を楽しみがてらお運びください。


■4/14 「紀伊三曲えん遊会」~箏・三絃・尺八によるコンサート~ 琴ノ浦温山荘園にて チラシ参照
 和歌山県海南市の14000坪の名勝庭園を望む重要文化財の建物での会です。「えん」が30年間に手を付けてこなかったプロ・アマチュア問わず、年齢問わず、どなたでも参加できる会邦楽を楽しむ会です。純粋に邦楽が好きで、名勝庭園で箏の尺八の音色を楽しみたい方によるコンサートを始めます。
毎年4月第2日曜日開催予定。主催:紀伊三曲えん遊会


■6/11 「八橋偲奏宴」no9 ~八つ橋検校奉納演奏~  八やつはしでら(常光院) 非公開
 常光院様のご厚意でさせて頂いている奉納演奏です。志のある有志によります。常連として富成師、富緒師、伊藤3代、他に毎回、色んな方が加わられ、墓参した後に厳粛に奉納演奏をいたします。

■5月末~7/21 「伝統文化お琴体験教室in八やつはしでら」 京都・金戒光明寺・常光院
「えん」を一番の趣旨である子供対お琴体験教室を昨年よりやつはし寺である常光院でもさせて頂いています。贅沢な機会をぜひご利用ください。期間に体験は6回と発表会です。詳細はお問い合わせください。京都のGOGO土曜塾に掲載されます。参加資格は小2年~中2まで参加可能。

■8/10 8/11 8/12 「全国学生邦楽フェスティバル」
♪8/10 12時より8/11正午「京都合宿no3」 講師:藤原道山 京北ゼミナールハウスあうる
 藤原道山師にどっぷりと二日間指導していただく大変贅沢な機会です。山の囲まれた自然豊かな会場で音もおもいっきり出すことができ、夜のバーベキューは楽しいひと時。
 
♪8/11 16時より   「前夜祭」  ゼスト御池 河原町広場
 毎年2、30人ほどが参加してきており、当日お互いに飛び入り演奏したり、音響を使ってBGMと共に演奏したり、好きなことができる企画です。

♪8/12 10時~17時(予定) 「若者による邦楽コンサート」 京都文化博物館
 ・ワンポイントアドバイサー 池上眞吾 藤原道山  ・調弦   福原左和子 伊藤麻衣子
  「集まりましょう」「楽しみましょう」 
全国から約230人集まってくる若者(18歳より28歳まで、一部高校生参加可能)によるイベントで、近年は1/3は大学邦楽部OBOGが参加してきており、東京芸大卒も参加されており、レベルがかなり高くなっていますが、レベルを競うものではなく、「飛躍」程度の曲を出してこられるのも大歓迎です。
今年は文化財のすばらしい会場ですので、久しぶりに美術も入れようと思っています。 
主催:全国学生邦楽フェスティバル実行委員会

■10/5~12/15 「伝統文化お琴三味線教室」 高槻市・伊勢寺
 高槻で開催する子供お琴・三絃体験教室です。一昨年より三絃も増やしたところ、三絃も人気が高く、リピーターが多く参加してくる教室です。参加資格は小2年~中2まで。
9回の練習と「えん」のおさらい会で発表します。小中学校に2万枚のちらしを配布し公報します。
伊勢姫ゆかりの伊勢寺は「えん」を始める前におさらい会や子供お箏体験に数回使わせていただきましたが、ご住職はよく覚えてくださっており、再び使わせていただけることになり有難いです。

■11/10 「音絵巻」no2 ~焔~  西陽子師を迎えて  琴ノ浦温山荘園
 ♪演奏者 箏:西陽子  三絃・柳川三味線:伊藤志野
♪曲目 「月夜の海」(西陽子作曲) 「甦る五つの歌」(沢井忠夫作曲)からその1.2.3
「古道成寺」「八重衣」
和歌山を代表する国内外で名実ともに日本を代表する現代曲演奏家の西陽子師に、京流地歌を勉強している伊藤志野は現代曲を7年間師事しました。今回は師匠をお迎えしてのコンサートです。西陽子師の感性は鋭く、時に優しく、時に激しく自由自在に箏の音色は変化していきます。

〖いとうばあばのぼろぼろ日記〗
「えん」の活動を始めてから30年が過ぎてきています。その間、ひたすら「一人でも多くの一般の人々に琴の音色の良さを知ってほしい」と願って多くの方々のご協力を頂きながら、非営利の邦楽普及活動をしてきました。
プロによるコンサートを含めコンサートがざっと350回以上開催、30000人以上の方に聞いていただき、全国学生邦楽フェスティバルは今年で24回目、ざっと延べ6000人が参加してくださり、文化庁・伝統文化お琴体験三絃教室は年によりタイトルは違いますが、「えん」の初めからすると、ざっと800人の子達がお琴体験してくださり、月に二回教えている別所保育園では約400人子達が一年間お琴に触れた。
 さてどれほど普及に成果がでたのでしょうか。
今年新春コンサートに行った高槻の幼稚園では園長先生を初め、皆様お琴を始めて見る方が大半、娘が京都の事業主対象のイベントでお琴・柳川三味線の演奏に行き、二回とも大半が初めて聞かれるとのこと。がっくり。しかも京都で、がっくり。
 「えん」には初めの10年くらいは色んなお話が来ました。しかし、非営利の普及団体「えん」しかできないこと、子供や若者対象の草の根活動、今では普通になっている流派を問わない企画に応じて演奏家を選ぶプロコンサート、が中心になりました。「えん」でなくても出来ることはすべて他の何某協会や演奏者を紹介してきました。その中には、大使館から依頼の海外公演、今は有名になっている京都のイベントがあり、また、超有名企業4社からのスポンサーの申し入れもすべてお断りししたいことをする為に、趣旨を通すために、薬剤師のアルバイトで活動資金を賄ってきました。
今はするだけのことを必死でしてきた74歳を迎える私は、数年前より活動を整理しながら出来るものは娘に引継ぎをし、更にこの年しかできない活動に絞っていっています。
 そして、時間の余裕ができ、ゆったりと時間が流れ出している今、大好きなお琴・三味線をゆっくりと触れる楽しさを孫とともに心より味わっています。改めてお琴の音色、三味線の音色、すばらしいとつくづく感じ、好きな曲を楽しめる環境にいることに感謝しています。
 未読の本を読み始め、和歌山の楽々庵に植えている174種の大好きなお花の手入れも心行くまでし始めています。初夏に法然院の皆様とご一緒に再び訪れる東北慰問(福島中心)に向けて般若心経の写経も始めました。三日坊主にならないように。
 「縁」によって生かされていることに感謝し、時間のゆとりが大切なことをひしひしと感じるこの頃です。 

宝物 琴野




えん代表 伊藤和子 0905130-0841
en-itou@mue.biglobe.ne.jp

2019年03月08日