復元コンサート

《甦る大正・昭和の邦楽~北川資料による復元コンサート~》

中井先生の言葉

 邦楽に於ける¨新日本音楽¨の時代といいますのは、江戸・明治期までの古典の時代と、邦楽洋楽の垣根を超越して完成された今日の¨現代邦楽¨の時代との橋渡しの時期に当たります。
 橋渡しの時期とはいへ、その作品群は決して不熟なものではなく、さらに年代をへた後に古典となって立派な音楽遺産となり得るものが数多く作られているのですが、これらは東京を中心に全国に発信していた為、戦時中の空襲によって資料や楽譜が烏有に帰したものも多く残念に思っておりましたが、幸い京都の地に北川芳能手書きの譜が一千数百冊も保存されていて戦火をまぬがれていたことがわかり、それをもとにその音楽を復元して大正期の先人の労苦を忍び今日有ることの意義をかみしめてみることも必要なのであります。

中井猛(東京芸術大学講師)

■日程
 2001年2月4日(日)  14時半会場 15時開演
■開催場所
 京都府立文化芸術会館
■主催
 京都府、(財)京都文化財団「京都府舞台振興事業」
「甦る大正・昭和の邦楽」実行委員会
■助成
(財)新日鐵文化財団
■企画
 伊藤和子(えん)
■料金
一般前売り3000円、当日3500円、学生2500円
■チケット発売
京都府立文化芸術会館(℡075-414-4222) 大丸京都店チケット売場
高島屋京都店チケット売場、阪急梅田店和楽器売場
「甦る大正・昭和の邦楽」実行委員会

■プログラム

■出演者   
【解説・司会】
  久保田敏子(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授)
【箏・十七弦・三絃・胡弓・玲琴】
 ・北川芳能(雅楽能)社中有志 
・池上眞吾、菊重精邦、島田重弘と社中、林美恵子と社中、
 細見由枝、・木場大輔
【尺八】
 ・石川利光、岡田道明、小山菁山、志村禅保、大釈真佐俊
  藤原道山、米村鈴笙 

【ソロと合唱】 松井智慧とグループLA「崩」 
【バイオリン】 坂口雅英
【チェロ】荻野健

■演奏曲目候補曲
      【春の水】【皇后宮御歌】(宮城道雄作曲)
      【影】【あわて床屋】(町田嘉章作曲)
      【烏の手紙】【ほたる】【うぐいす】(北川芳能作曲)
     【雁が鳴きます】(中之島雅楽之都作曲)
      【千鳥曲によれる三絃独奏曲】(中島欣一作曲)
      【収穫の野】(米川親敏作曲)
     【銃後の妻】【秋の夕べ】(久本玄智作曲)

大合奏曲
【清姫】(金森高山作曲)
      【南島情緒】(田辺尚雄作曲)
      【天女舞曲】(宮城道雄作曲)
     【春信幻想曲】(町田嘉章作曲)

■舞台美術
 野田八重乃(未生流)

■北川芳能(雅楽能)遺品展示